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合法ビジネスとして認知された経緯
 
米国内で窮したピラミッド商法は海外へ活路を求めていくが、海外でもすぐに馬脚を現わした。ホリディマジック社はカナダ、スウェーデン、シンガポールでも業務停止命令を受けている。イギリスはピラミッド商法そのものを法律で禁じてしまった。
 
いずれにしろピラミッド商法とネットワークビジネスの違いが、人々にまだ明確に意識されていなかった時期に、違法性の高いピラミッド商法が法的規制を受ければ、ネットワークビジネスも安泰でいられるとは考えにくい。
 
その典型的なケースとして、ネットワークビジネスの代表企業だったアムウェイが、アメリカ連邦取引委員会から告発された事例があげられる(1975年)。このとき、アムウェイはアメリカ連邦取引委員会(FTC)相手に、敢然と自己の正当性を主張して一歩も譲らなかった。
四年の歳月をかけた裁判でアムウェイは徹底的に争い、1979年にアムウェイは勝訴した。「アムウェイのMLMシステムは、ピラミッド商法の持つ本質的特徴を含んでおらず、人をだますような違法な商法とは認められない」
 
この審決は一企業の勝利という以上の大きな意味があった。それはMLMすなわちネットワークビジネスが、ピラミッド商法と異なる正当な販売システムであることが初めて法的に認められた瞬間だったからである。アムウェイの勝訴は業界内外に大きな旋風を巻き起こした。違法性が心配でこの商法におよび腰だった起業家たちは、再びネットワークビジネスの積極的導入を図るようになり新規企業が続々誕生することとなった。
 
著名な経済雑誌『フォーチューン』は、「注目に値する新流通形態」という企画特集を組んだ。ネットワークビジネスは広く一般大衆の知るところとなり、大きな社会的関心を呼び起こした。
1980年代に入ると、ネットワークビジネスを導入する会社が爆発的に増加した。かつて最盛期にあっても二百社といわれたのが、一挙に二千社にまで膨らみ、その中にはコダック、エイボン・プロダクツなど有名企業も含まれていた。
 
かくしてMLMは本国アメリカで立派な合法ビジネスとして歩み出したが、一方でピラミッド商法のほうは、連邦取引委員会によって監視され続けた。この頃、連邦取引委員会が作ったピラミッド商法に関するガイドラインがある。
 
[ピラミッド商法の構成要件]
 
1.高額の入会金を支払わねばならない。
2.販売員を勧誘したとき、その見返りとして、モノやサービスの売買とは無関係に勧誘者に報奨金が支払われる。
3.新規会員に対しても、同じような権利が与えられる(結果的に多額な出資をする)。
4.商品の在庫返品を認めない。
5.勧誘対象を増やし続けなければならない。
 
以上の要素を持つと正当なネットワークビジネスのつもりでも違法なピラミッド商法と解釈されることになるということだ。このガイドラインの精神は、わが国のマルチ商法規制の法律にも反映されている。
 
わが国においても、特定商取引法の規制では、先に掲げた「ピラミッド商法の構成要件」はすべて禁止されているので実質的にピラミッド商法は展開できないが、違法を承知で展開する業者や、見かけ上のシステムは合法でも実質的にはピラミッド商法まがいの運営を行う企業も後を絶たず、このことがネットワークビジネス全体のイメージを悪くする一因となっている。
 
出典/クチコミと人財が会社を変える(ダイヤモンド社・刊)  

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